前のトピックを表示 :: 次のトピックを表示 |
投稿者 |
メッセージ |
上田昌良
登録日: 2005.02.07 記事: 3084 所在地: 大阪府
|
日時: Sat Sep 03, 2022 7:11 pm 記事の件名: 2022年8月1日23:15:51(JST)の特異光度変化の火球 ・現状報告 |
|
|
この火球のデータ等は次の諸氏から提供があった。
藤原康徳(M22047)、下田力(M22048)、富田正己(M22049)、米口一彦(M22050)
この火球の計算はすでにts007さんの報告があるが、私の方は、隕石落下位置を目標に計算を進めている。それで隕石落下位置の精度を良くするため、撮影者の皆さんには観測誤差を少なくするために、いろいろと失礼なことを申している。ご理解いただければと思う。
さて、計算の現状は、消滅点付近の地球大気による減速のようすが知りたいのだが、図に示したようにデータのない空白がある。M22047は発光点が写っていないが、消滅点までかなりの経路が写っていた。この動画などファイル一式を提供していただいた。その中のM****A.XMLファイルをみると比較星の測定精度が0.005°と記録されており恐ろしく良い位置データが得られていた(明るく輝いている経路部分は測れていない)。それで期待して、UFOAnalyzerV2でそれらファイル一式にて手動の位置測定をした。しかし、なぜか、火球の位置が全く違う測定結果となり使えなかった。原因ふめい、、
また、M22050の速度は、図にあるように周期的に速い速度と遅い速度を繰り返している。これは設定ミスが考えられる。次のところを参照し、設定の改善を希望する。
http://www.sonotaco.jp/forum/viewtopic.php?t=5153
ただ、測定は精度良く行われているので、今回は、フレームの1つ飛ばしでフレーム数の偶数番号のデータを使って計算をし(図の◎青印)、よい速度が算出できた。
結局、今、図にある計算結果で司馬さんへバトンを渡すか思案中である。
説明: |
|
ファイルサイズ: |
86.59 KB |
閲覧数: |
4138 回 |
|
説明: |
|
ファイルサイズ: |
181.99 KB |
閲覧数: |
4138 回 |
|
|
|
トップに戻る |
|
|
米口 一彦
登録日: 2012.05.03 記事: 1170 所在地: 石川県加賀市
|
日時: Sun Sep 04, 2022 8:24 pm 記事の件名: Re: 2022年8月1日23:15:51(JST)の特異光度変化の火球 ・現状報告 |
|
|
上田さん、ご指摘ありがとうございます。
カメラがAHDなのに、UFOCaptureHD2のInputシート設定が Interlaceオンになっていました。本日よりオフにしました。
ここからは、リンクの、”Re: 2022年3月4日2:56:50(JST)出現した流星火球データの提供のお願い” についての話になります。
上田さんからリクエストがあったにもかかわらず気づかず、そのままになっていました。すみませんでした。もう遅いと思いますが、添付いたします。
宮崎のあたりまで同時になるのですね。
ただ、8月28日にこの方向のカメラをSDからAHDに変え、観測範囲をSDのときより下(つまり遠く)まで広げました。また同時観測できるとよいのですが、IMX327の感度がWat100Nと比べてどうか、、、でも楽しみです。
説明: |
同時流星と思われるものの静止画です。下の方のクレジットと重なっています。流星の方向は左下から右向きです。空の状態は下まで雲がないので、良い方の日だと思います。 |
|
ファイルサイズ: |
31.51 KB |
閲覧数: |
4064 回 |
|
説明: |
|
ダウンロード |
ファイル名: |
M20220304_025656_IS5_SWA.XML |
ファイルサイズ: |
4.92 KB |
ダウンロード回数: |
246 回 |
|
|
トップに戻る |
|
|
上田昌良
登録日: 2005.02.07 記事: 3084 所在地: 大阪府
|
日時: Sun Sep 04, 2022 11:06 pm 記事の件名: Re: 2022年8月1日23:15:51(JST)の特異光度変化の火球 ・現状報告 |
|
|
米口さん、2022年3月4日2:56:50(JST)出現した流星火球データありがとうございます。個人メールでも依頼すべきでしたね、当時、同時進行でいろいろ処理をしてましたので、頭がそこまでまわりませんでした。超遠距離の同時流星ですからその意義は大きいと思います。
|
|
トップに戻る |
|
|
上田昌良
登録日: 2005.02.07 記事: 3084 所在地: 大阪府
|
日時: Sat Sep 10, 2022 2:07 pm 記事の件名: 特異光度変化の火球の軌道計算結果(最終報告) |
|
|
特異光度変化の火球の軌道計算結果(最終報告)
2022年8月1日23:15:51(JST)出現
報告:上田昌良
概要
2022年8月1日23:15:51(JST)に愛知県の上空に火球が出現した。この火球の発光点の高さは82.6kmで、消滅点が32.0kmだった。最も明るかった地点の高さが57.0kmで、その明るさは-6.1等(絶対光度)だった。経路長は53.9km、継続時間が3.9秒、突入角が59°.7だったが、この火球の最大の特徴は光度変化だ(次の画像を参照)。また、この火球の初速(V∞)が15.9km/s±2.4km/sと遅い速度で、終速が地球大気による著しい減速で6.8km/s±1.6km/sとなった。
この火球に伴う隕石落下位置の計算を司馬康生氏が行うことになっている。
観測者
この火球を撮影し、そのデータ等の提供をしていただいたのは、次の表に載せた4名の諸氏だった。
位置測定
この火球の位置測定は、撮影者自らがUFOAnalyzerV2ソフトによる自動測定を行った。ただ、富田正己氏(M22049)からは、動画、静止画など関係ファイル一式を提供いただき、筆者がOFOAnalyzerV2で手動位置測定を行った。明るい火球でその映像が飽和している場合には、手動で測定を行った方がよい結果が出る場合がある。今回はその良い例で、速度が改善された。藤原康徳氏(M22047)からも動画(1.4G)など一式を提供していただいた。しかし、うまく手動で位置測定ができなかった。
特異な光度変化
この火球の画像は、当Networkに掲載されている。その姿を見れば一目瞭然であるが、途中で暗くなったが、急激に明るくなり爆発した。この光度変化は特異である。筆者は
急激な爆発は、その直前に流星体が分裂(a2 爆発直前の画像を参照)したように写っており、その大きな分裂片が地球大気と衝突し爆発現象を起こしたと考えている。a3 消滅点付近にも分裂した画像がある。このことからこの火球は分裂しやすい流星体だったのだろう。
軌道計算結果
筆者がorbit3で計算した結果、火球の実経路はa4の図のように各観測地からのものが比較的一致した。a5の図に示したが、火球の速度が地球大気によって著しく減速したことがわかる。光度の変化は見づらいが、撮影者が投稿した画像でその火球の姿を見ればその特異な光度変化がわかる。
軌道計算結果の精度を良くするため、撮影者の皆さんには観測誤差を少なくするために、いろいろと失礼なことを申しあげた。ご理解いただき、ご容赦願いたい。この火球の計算結果の詳細は、a6の表にまとめた。
謝辞
最後に、この火球のデータなどを提供していただいた藤原康徳氏、下田力氏、富田正己氏、米口一彦氏に改めて感謝を申し上げる。なお、今回の結果から引き続き隕石落下位置の計算に取り組んでいる司馬康生氏にお礼を申し上げる。
説明: |
|
ファイルサイズ: |
48.94 KB |
閲覧数: |
3691 回 |
|
説明: |
急増光の直前のフレームを拡大した
撮影者:藤原康徳氏 |
|
ファイルサイズ: |
171.91 KB |
閲覧数: |
3691 回 |
|
説明: |
消滅点付近のフレームを拡大した。分裂片が写っている
撮影者:藤原康徳氏 |
|
ファイルサイズ: |
99.43 KB |
閲覧数: |
3691 回 |
|
説明: |
|
ファイルサイズ: |
83.83 KB |
閲覧数: |
3691 回 |
|
説明: |
|
ファイルサイズ: |
166.35 KB |
閲覧数: |
3691 回 |
|
説明: |
|
ファイルサイズ: |
116.37 KB |
閲覧数: |
3691 回 |
|
|
|
トップに戻る |
|
|
司馬康生
登録日: 2005.11.26 記事: 2161 所在地: 明石市
|
日時: Sat Sep 10, 2022 4:34 pm 記事の件名: 小隕石落下推定 |
|
|
上田さんからデータを頂き、初速近似、落下シミュレーションの実施から落下点の推定を進めました。
撮影ーデータ提供をされた方々、上田さんに感謝いたします。
さて、予想どおり、落下質量は小さなもので、観測?計算の誤差も十分残りました。
やはり急激な光度変化は、流星体サイズの急激な変化を意味し、それが速度変化に反映するという流れから難題です。
単体としての計算の限界かもしれません。
さて、速度の指数関数近似は誤差が少なく初速決定は良好と思います。
V0=16.378km/s
時間、3秒を超えると指数関数近似から外れますが、隕石落下火球の典型的特徴です。
シミュレーションは、前後の潮岬、輪島の風データが無く,八丈島のデータ(1日21h、2日09h)を使いました。どちらも夏の弱い風です。
初期質量は基準値として110gを採用しました。これは、破砕を考慮すると、下限値で、真の突入質量はこの数倍かもしれません。
時間?高度のグラフでは、観測と計算で経路の後半のカーブがうまく合いません。
破砕の影響で、急激な質量変化に計算が対応できないためと推定します。
最後の最後で、観測の方がカーブが下向きなので、最終質量はもう少し大きい期待はあります。一応、最終質量の基準値は1.8gです(わずか)。
諸定数を有りそうな範囲で加減して落下域推定図を作りました。
ここに示した落下点の質量範囲は0.7-3.6gです。
比較的町中です。
発見は難しいでしょうが、奇妙は光度変化を起こした物質はどんなだろう、と考えるのも楽しいです。
説明: |
横軸:発光からの時間、縦軸:指数関数近似(図中の式)をあてはめたときの飛行距離のO?C |
|
ファイルサイズ: |
11.77 KB |
閲覧数: |
3677 回 |
|
説明: |
落下の期間?地上高度
青は観測、赤は計算(シミュレーション) |
|
ファイルサイズ: |
8.73 KB |
閲覧数: |
3677 回 |
|
説明: |
落下経路水平図。青は観測、赤は計算(シミュレーション)左から右に落下。 |
|
ファイルサイズ: |
8.54 KB |
閲覧数: |
3677 回 |
|
説明: |
落下推定図。かなりコンパクトです。東西1.5kmくらい。ただし、空気力学的効果などで2-3kmの誤差はあると思って下さい。 |
|
ファイルサイズ: |
563.29 KB |
閲覧数: |
3677 回 |
|
|
|
トップに戻る |
|
|
前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
|
日時: Sun Sep 11, 2022 10:57 am 記事の件名: |
|
|
前田です。
上田さん、司馬さん、いつも計算ありがとうございます。
何もできませんが、楽しく読ませて頂いています。
0.7-3.6gのサイズ感がわからなかったので、調べて見ました。
1-2cmなんですね。
奇跡の2乗ぐらいが起きないと発見は、難しいでしょうが、このサイズならまだ、夢はあります。
説明: |
密度のあまり高くない庭の小石なので、実際は一回り小さいと思ってください。 |
|
ファイルサイズ: |
83.32 KB |
閲覧数: |
3627 回 |
|
最終編集者 前田 [ Sun Sep 11, 2022 3:33 pm ], 編集回数 1 回 |
|
トップに戻る |
|
|
藤原康徳
登録日: 2004.08.10 記事: 2684 所在地: 大阪市淀川区
|
日時: Sun Sep 11, 2022 3:09 pm 記事の件名: |
|
|
上田さん、司馬さん
軌道計算から隕石落下のシミュレーションの実施、落下点の推定ありがとうございました。上田さんには測定を丸投げしましたが本当にありがとうございました。
観測した結果がこのように具体的な結果として示されると観測者として大変うれしいです。
前田さん、実物の隕石(普通コンドライト)でこのような例が示せたらよいなあと思いました(今は難しいですが、かつて立川にいたころならできたかも???)。
|
|
トップに戻る |
|
|
|