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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2759 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Mon Jun 16, 2008 11:08 pm 記事の件名: 流星のフラックス |
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前田です。
AnalyserV2で解析したデータも1年以上たまってきましたが、散在流星や群流星の
フラックスを計算しようとすると、どうしても観測中の最微光星が知りたくなります。
視野の位置合わせに使った星の数が、流星ごとに記録されているので、それが
利用できないかチェックしてみたのですが、背景に天の川が有るかないかで、
大きく星の数がかわってきてそのままでは使えないようです。
視野が固定されているので、時刻を指定すれば視野内のN等星以上の星の数は
出せないことはないと思うのですが、かなり面倒です。
うまい方法を 知っている人はおられませんか。 |
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Tue Jun 17, 2008 9:41 am 記事の件名: Re: 流星のフラックス |
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この問題は私も以前から気になっています。
目的は、観測条件によらない流星群の出現度合いを1つの数値で表すことだと思っています。
つまり最終的にはZHR相当の数値を得ることなのですが、方法が違うので過去のZHRと比較
可能な数値にはならないと思うので、結局新しい出現量を表す数値を作ることになるのでは
と思っています。
で、UA2-UO2のコンビは視野も恒星カタログとの対応も認識しているので方法が決まれば
計算できる筈ですが、まだ方法がまとまっていません。
良い機会なので、ビデオ観測用の方法をどうすべきか考えてみると....
1. ある時刻の観測の状態は 各画素の検出可能等級(最微等級に相当)を画角で積分したもので
単位は MSr (マグニチュードステラジアン)として記録する
2. 流星数は、各観測時刻毎に 流星群別に各輻射点の天頂距離によって補正する
3. 1,2 から 理想的な夜空の下での全天の出現数を見積もる式によってZHR化する
MSrの算出手順としては、例えば各クリップの分析において以下を実行することは可能
1-1. UA2の恒星リンクを利用して明度-等級グラフをクリップ毎に決定する(恒星が見えている時は現在も実行されている)
1-2. 流星を含まない部分の動画を用いて各画素の時間平均明度を求める(これも流星等級決定用比較画像して既に使用しています)
1-3. 2.を画素毎に画角を考慮しつつ積分する
この結果をM.csvに含めれば 同時観測結果などで群が決定すれば計算が可能になりそうです。
しかし、背景明度の積分と検出可能等級との間に差があると思うので、これをどう決定するかは
実験して考える必要があります。つまり、背景の明るさだけでなく、透明度やUFO2の検出能力をどう考慮するかという話があると思います。
あと、基準とする出現等級分布を全群を平均した形でただ1つに決め、MSrとの関係式をる必要があります。
これも色々実験と検証が必要でしょうね。
いつかは、このような計算がされる時代がやってくることを期待したいですが、
どなたかやる気のある方おられますか? |
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INOUE
登録日: 2006.02.09 記事: 4331 所在地: 東京都八王子市
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日時: Wed Jun 18, 2008 6:42 am 記事の件名: Re: 流星のフラックス |
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伊勢原のINOUEです。
私も空のコンディションによって検出数が増減するのが気になっています。
眼視観測にならってまずは単純にクリップ毎の最微星をM.CSVに残すことを提案します。
最微星はリンクの張れたミニマムの等級で良いのではと思います。
雲量に相当する量も分かると良いのですが。 |
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Wed Jun 18, 2008 9:04 pm 記事の件名: Re: 流星のフラックス |
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INOUE wrote: | 眼視観測にならってまずは単純にクリップ毎の最微星をM.CSVに残すことを提案します。
最微星はリンクの張れたミニマムの等級で良いのではと思います。 |
現状のUA2では magL という人間が指定する閾値があるので、おっしゃる方法は単純にはうまくいきません。
magL は 暗い恒星についての誤まったリンクを排除するためのものですが、
まず、これを自動的に正確に設定する方法を作る必要があります。
これができれば、検出可能な最も暗い恒星の等級が判ることになります。
これがうまく行って、恒星リンクが全て正しい状態になっているとすれば
そこから画面内の各小領域について、その領域での検出可能等級を定めることができると思います。
これを視野の画角で積分すれば、その時刻のそのカメラの検出能力が計算できます。
これは 透明度も考慮されていることになるので、
恒星数がある程度以上あれば、前に書いた明るさを累積するよりより正確な検出能力になりますね。
実験してみないとどの方法が良いかは判りませんが.....
もう1つ、別の考え方で、雲量を算出するという考え方があります。
この雲の認識についてですが、これは実は過去トライして挫折しています。
雲には薄いものや濃度の変化しているものがあり、月明かりや地上光の影響が大きく状況が複雑で、とても安定した値が求まるものではありませんでした。 |
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INOUE
登録日: 2006.02.09 記事: 4331 所在地: 東京都八王子市
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日時: Wed Jun 18, 2008 11:21 pm 記事の件名: Re: 流星のフラックス |
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[quote="SonotaCo"][quote="INOUE"]眼視観測にならってまずは単純にクリップ毎の最微星をM.CSVに残すことを提案します。
最微星はリンクの張れたミニマムの等級で良いのではと思います。[/quote]
現状のUA2では magL という人間が指定する閾値があるので、おっしゃる方法は単純にはうまくいきません。
magL は 暗い恒星についての誤まったリンクを排除するためのものですが、
まず、これを自動的に正確に設定する方法を作る必要があります。
これができれば、検出可能な最も暗い恒星の等級が判ることになります。[/quote]
了解しました。
自動化するのはなかなか難しそうですね。
私の所の12mmのカメラでは、星図とマスク像の目視の比較で
最微等級は3〜6.5等ぐらいの範囲で変動していて有効な指標になるような感触があります。 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2759 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Thu Jun 19, 2008 1:44 am 記事の件名: いろいろ |
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前田です。
レスどうもです。
SonotaCo さんへ
>観測条件によらない流星群の出現度合いを1つの数値で表すことだと思っています。
>つまり最終的にはZHR相当の数値を得ることなのですが、方法が違うので過去のZHRと比較
>可能な数値にはならないと思うので、結局新しい出現量を表す数値を作ることになるのでは
眼視観測のZHRにこだわらなくてよいと思います。TV観測は視野が固定されているので、
眼視観測より定量化しやすいと思います。もちろん、ZHRでいくら相当と変換できれば
便利です。
>1. ある時刻の観測の状態は 各画素の検出可能等級(最微等級に相当)を画角で積分したもので
>単位は MSr (マグニチュードステラジアン)として記録する
観測している視野を地表の面積に換算する必要があります。地平線が視野に入るような
観測は透明度などの影響が凄く大きくなるので、使えなくなっていもよいと思います。
仰角が30度以上ぐらいは必要と思います。
>2. 流星数は、各観測時刻毎に 流星群別に各輻射点の天頂距離によって補正する
>3. 1,2 から 理想的な夜空の下での全天の出現数を見積もる式によってZHR化する
全天の必要はなくて、例えば地表100平方キロ当たりの数が出ればよいと思います。
>1-1. UA2の恒星リンクを利用して明度-等級グラフをクリップ毎に決定する(恒星が見えている時は現在も実行されている)
INOUEさんの言うようにまずは、これを何等という形で記録したいですね。
少なくとも何等以上でもよいかも知れません。
眼視観測からCHRを求める時には、雲量と最微恒星と観測時間が必要ですが、TV観測の場合は
おっしゃられるように、雲量は無理だと思います。ただ、(まだら状の)雲があったのかどうかは暗い星が見えているのに明るい星が見えてないことから、クリップから判断できるので、
それを示すフラグを記録すれば、統計を取る時にそのデータを使わなければよいと思います。月が視野内にあっても雲と同様に扱えると思います。
最微恒星は、観測の誤差のほうから逆算して、視野内に星が10個以下になったら、計測不能とするなどして切るのが現実的ではないでしょうか。
一番難しいのが観測時間です。流星が流れなかった時間が1時間あったとして、その時間
ほんとに流れなかったのか、曇っていたのかをどうやって判断するかという問題です。
解決法を考えると一つは、観測時刻と月がわかれば、これまでのデータから
1時間にN個流れることが、カメラの視野などを含めると計算できるので、それに対して
2σとか決めてそれ以下ならば曇っていたと判断することが思い浮かびます。
もう一つの方法は、UFOCaptureにあるインターバルの観測モードを利用して、
流星が流れなくても空を記録して、それから最微恒星を決めれば、解決しますが、
これまでのデータは使えなくなります。
他にも、まだ考えればありそうな気がします。
このように私の考えは、すべてのデータを利用するのではなく、フラックス計算に
使える観測であることを、クリップごとに記録しておき、それだけを使うというものです。
精度の悪いデータから無理に計算しないという考え方です。 |
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Thu Jun 19, 2008 10:34 am 記事の件名: 科学パズル |
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コメントありがとうございます > 前田さん
流星の出現頻度を表す量を新たに定義するというのは必要かつ面白い課題ですね。
UA2開発の時に諦めた経緯をだんたん思い出してきました
やはり、沢山の問題点があるので、しっかり検討したいと思います。
画角でなく観測している領域の地表面積という考え方はリーズナブルですね。
一長一短なので、もう少し検討したいです。
あと、透明度のほかに対象までの距離の問題もあることにも留意が必要だと思います。
仰角から距離を推定して補正すると低空の観測も活かせるかもしれないと思いました。
観測時間については、やはり完全な天候の記録を作らないと無理ですね。
一晩の結果を短い動画にまとめる方法などは別途検討してみたいです。
また混乱していますが、求めようとしているものは以下でしょうか。
A. 1つのカメラの1時点の観測能力を表す量
(何平方kmの何等までの流星を検出できるか という数値)
B. 1夜の観測量
(A をカメラ数と時間で積分したもの...重複視野は除く?)
C. 1つの流星群の出現頻度
(特定群の観測流星数をBで割ったもの
つまり 1時間あたり、100km^2 に 0等の流星が何個現れるかという数値)
うーん、まだなんか変です。
輻射点の天頂距離の関係がどっかに行ってしまいました
そもそも等級と個数の関係が変です。
これを換算しないと数値が1つにならないような気がするのですが、そんなことできるのでしょうか
3等まで映るカメラで10個観測されたら、0等しか映らないカメラの2個分に相当するとか...
気候のせいでしうょか? 最近 頭が回らず、混乱状態ですみません 。 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2759 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Fri Jun 20, 2008 1:15 am 記事の件名: フラックス |
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前田です。
>あと、透明度のほかに対象までの距離の問題もあることにも留意が必要だと思います。
>仰角から距離を推定して補正すると低空の観測も活かせるかもしれないと思いました。
仰角ごとの最微恒星が分かれば、透明度の補正ができるので、可能ですが、
難しいと思います。
>観測時間については、やはり完全な天候の記録を作らないと無理ですね。
完璧を目指すならもちろんそうでしょうが、どのように数値化して残すかが問題ですね。
>また混乱していますが、求めようとしているものは以下でしょうか。
>A. 1つのカメラの1時点の観測能力を表す量
>(何平方kmの何等までの流星を検出できるか という数値)
>B. 1夜の観測量
>(A をカメラ数と時間で積分したもの...重複視野は除く?)
ここは、重要なところです。AやBではありません。カメラなど、観測装置や天候によらない値です。
例えば、6mmのレンズと12mmのレンズで同時に観測したら、同じ値が出るのが理想です。
実際に降ってくる流星数は同じ明るさに限れば、単位面積当たり同じはずです。
>C. 1つの流星群の出現頻度
>(特定群の観測流星数をBで割ったもの
>つまり 1時間あたり、100km^2 に 0等の流星が何個現れるかという数値)
これでよいと思います。また、群に限らず散在流星でも同じです。
もちろん散在流星の場合は輻射点の高度補正の部分がいらなくなります。
>輻射点の天頂距離の関係がどっかに行ってしまいました
>そもそも等級と個数の関係が変です。
>これを換算しないと数値が1つにならないような気がするのですが、そんなことできるのでしょうか
一つの数値という言い方が悪かったです。lフラックスは流星の明るさの間数になります。
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話は少しずれますが、
フラックスについて、よい解説がないかさがしていたら、
2008 METEOROID ENVIRONMENTS WORKSHOP
http://www.nasa.gov/offices/meo/home/2008_wkshop_presentations_detail-rd.html
がみつかりました。この収録はどのテーマも凄く面白いです。ビデオ観測に関するものもいくつか
あります。順に見ていくとすぐに1時間ぐらいたってしまいます。Molauさんの最新の成果も
載っています。
このなかで、Campbell-BrownさんのMeteoroid fluxesの発表が、ちょうどビデオ観測でフラックスを求める話が載っています。
私は1点観測でも十分だと思っていましたが、2点観測だと、さらに正確に決まるようですね。
(完全には理解できていませんが、、、) |
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Fri Jun 20, 2008 9:06 am 記事の件名: Re: フラックス |
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前田 wrote: | >A. 1つのカメラの1時点の観測能力を表す量
>(何平方kmの何等までの流星を検出できるか という数値)
>B. 1夜の観測量
>(A をカメラ数と時間で積分したもの...重複視野は除く?)
ここは、重要なところです。AやBではありません。カメラなど、観測装置や天候によらない値です。
例えば、6mmのレンズと12mmのレンズで同時に観測したら、同じ値が出るのが理想です。
実際に降ってくる流星数は同じ明るさに限れば、単位面積当たり同じはずです。
>C. 1つの流星群の出現頻度
>(特定群の観測流星数をBで割ったもの
>つまり 1時間あたり、100km^2 に 0等の流星が何個現れるかという数値)
これでよいと思います。また、群に限らず散在流星でも同じです。
もちろん散在流星の場合は輻射点の高度補正の部分がいらなくなります。 |
えーと、まだ話がすれ違ってますが、
Cを求めるために、A,Bという手順で計算していくことが必要だろうと思っています。
参考文献、おもしろそうですね。
このような研究が盛んなのは羨ましいですね。 |
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藤原康徳
登録日: 2004.08.10 記事: 2717 所在地: 大阪市淀川区
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日時: Fri Jun 20, 2008 9:10 am 記事の件名: フラックス |
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大阪市の藤原康徳です
フラックスで流星群の活動を表すというのは日本でも以前から長沢工先生が著書等で紹介されています(例えば、流星と流星群:地人書館103ページ以下)。
眼視観測では観測視野があいまい(広さ、方向、感度差)なので直接フラックスにあたる値を求めるのは難しいですが、TV観測ではかなり一般的に行われて
います。
国立天文台の渡部潤一さんの2000年前後の一連の(ジャコビニやしし群の)TV観測結果の論文でも活動度はフラックスで表されています。平均出現高度を
仮定して、何等より明るい流星が1秒あたり単位面積(平方km)に「垂直」に(輻射点の高度補正)入射した数を求めています。この一定の光度(質量)以上の
ものだけを数えるということで正確には累積フラックスというようです(これが前田さんがかかれたように光度(質量)の関数になる)。
手前味噌ですが、私が2002年のしし座流星群のTV観測結果を報告した論文でも活動度をフラックスで示しました。このときにはフラックス(というよりは観測
面積ですが)の求め方(計算方法)は、P. Brown等の論文(PSS 50(2000)45-55)を参考にしました。 |
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