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双曲線軌道の流星
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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12670
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Sun Sep 17, 2006 8:50 pm    記事の件名: 20050907213341 引用付きで返信

すみません、もう1つの 長経路流星も、交差角が不十分なようです。
これも、再分析する必要はなさそうです。

交差角をQ とすると 輻射点位置の誤差は (1/sinQ)^2 に比例すると思います。
従って、Q が小さい範囲ではわずかな測定誤差が 何十倍とか何百倍にも拡大されてしまいます。
測定誤差をいくら減らしても Qの下限を僅かに下げられるだけのようです。
実用的には交差角の下限を大きく決めるのが最も確実で簡単かと思いました。
最適値を探す必要がありますね。
交差角が90度ある時の誤差に比べて
交差角が10度で30倍、5度で131倍、3度で315倍にも誤差が大きくなります。45度なら2倍ですみ、30度なら4倍です。高精度というなら、30度くらいは欲しいわけですね。
折角自動調整で、測定誤差を1/10に減らせそうだと喜んでいたのが、幻のように思える大雑把な話でした。
--------
2005年の6345個の同時観測の中で交差角が30度以上あるものは 2647 個でした。近いサイトが多い割りには結構残ります。 ちょっと安心しました Surprised



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20050907_213341
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上田昌良



登録日: 2005.02.07
記事: 3089
所在地: 大阪府

記事日時: Mon Sep 18, 2006 2:57 pm    記事の件名: 双曲線軌道の流星=太陽系外起源の流星 引用付きで返信

双曲線軌道の流星=太陽系外起源の流星の話題で盛り上がっていること
たいへんうれしく思います。
私は、数年前から数名でこのことをテーマに流星の同時観測を行っています。
成果はありませんが、
一人でも多くの方が、このことに興味を持っていただくことはうれしいですね、

現在、太陽系外起源の流星がどの方向から地球に飛び込んでくるかという
理論的な論文を調べています。この種の論文は思いっきりむつかしいですね、
私では、理解不能にちかいです、英語ばかりで、日本語の論文ってないですかね、

まずは、双曲線軌道を持つ流星をたくさん集めることが先決です。
がんばりましょう。
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前田



登録日: 2004.09.01
記事: 2759
所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)

記事日時: Mon Sep 18, 2006 10:29 pm    記事の件名: 興味深い試みです。 引用付きで返信

宮崎の前田です。
そうですか。8000個の同時を調べて0ですか。
ごくろうさまです。

これだけでも、現在双曲線流星を光学観測しようとしている人にとっては
重要な情報です。
現在の6mmレベルで捕らえている明るさのものの中には無いと言うこと
ではないでしょうか。観測数をもう一桁あげるのは早々には無理でしょうから
暗い流星を探す方が近道かも。

いやー、とにかく、とてもおもしろい結果です。
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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12670
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Tue Sep 19, 2006 10:03 am    記事の件名: Re: 興味深い試みです。 引用付きで返信

明白な双曲線軌道の流星は8000個の中には無かったということで1950年台の調査というのと似た結論ですね。シュミットカメラと同じ結論ということは、ビデオカメラでより暗いものを探しても確率が上がるようには思えません。やはり、長期間、広範囲に探すしかないように思います。

さておき、今回の話は、同時観測流星の軌道要素計算における誤差について、大変勉強になりました。交差角がいかに重要かというのを再認識した点が主ですが、同時に観測の誤差がもたらす不整合についても貴重な経験となりました。

で、「数値解析と計算機による最適化技法を組み合わればこれまでにない高精度の軌道要素計算が実現できる」と思いました。 これはあまり難しい式は必要ありません。やれば今すぐにでもできると思います。時間があればいつかやってみたいです.......
推定精度が上がれば今まで精度不良として捨てた観測の中からも双曲線軌道の流星が見つかるかもしれません。
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izumi



登録日: 2006.02.08
記事: 120
所在地: 秋田県湯沢市

記事日時: Wed Sep 20, 2006 6:40 pm    記事の件名: スーパーシュミットカメラでの観測 その2 引用付きで返信

 1950年代のスーパーシュミットカメラによる観測について、少し調べてみました。意外なことや私の記憶違いもありました。

1.スーパーシュミットカメラのスペック
 長沢工著「流星に向かう」(昭和47年刊)に構造図と性能がでていました。
 200?F0.65、写野55°×55°、極限撮影等級4等、回転シャッター切断毎秒30回(フィルム直前に装備)・・・こう書くと小型広角カメラという感じですが、光学系は直径48?の主鏡・球面レンズ2枚(直径45?)と補正レンズで構成され、使用フィルム25?角と巨大です。観測地はニューメキシコ州。「4等まで」が意外ですが、半世紀前の感光剤ではいたしかたないのかもしれません。国内でもネオパンSS(ISO100)が最高感度の時代でしょうか。これで平均して1時間あたり2個の流星が撮影できたそうで、それまでの小型カメラの100時間1個ペースにくらべて飛躍的に研究が進んだそうです。

2.二点観測で得られた流星の軌道
・マクロスキー、ポーゼンの論文・・・2529個
  ・ホーキンズ、サウスワースの論文・・・359個
・ヤッキア、ホイップルの論文・・・・・413個
 最後のものは精度が高く、413個のうち双曲線軌道は7個(1.7%)、放物線軌道は2個(0.5%)しかない(前回は私が勘違いしていました)。いずれも1961年の「Smithsonian Contribution to Astrophysics」誌に掲載されているそうです。
真空吸引で曲げたフィルムを特殊レンズで乾板にコピーして測定したそうですが、大画面をコンパレーターで100分の1?まで測る世界でしょうから精度はバッチリ・・・ここが半世紀近くたっても資料として引用される所以なのでしょう。

 ところで、このシュミットカメラ、精度は別にすると、極限等級・写野・切断数・撮影効率など「ワテック+6?」にすごく似ていませんか? 機材を換えた追試観測にさえ見えてきます。双曲線軌道がなかなか見つからないのも「なるほど」なのかもしれません。逆に言えば、かつてのスーパーシュミット並の撮影効率のこの組み合わせを見つけた人はすごいと思います。
長めのレンズで同時観測すると新しい地平が見えてくるのかもしれませんが、困難は多そうですね。
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さぎたりうす



登録日: 2004.08.09
記事: 4405
所在地: 大阪府大阪市東淀川区

記事日時: Thu Sep 21, 2006 12:20 am    記事の件名: Re: スーパーシュミットカメラでの観測 その2 引用付きで返信

izumi wrote:
 1950年代のスーパーシュミットカメラによる観測について、少し調べてみました。意外なことや私の記憶違いもありました。

1.スーパーシュミットカメラのスペック
 長沢工著「流星に向かう」(昭和47年刊)に構造図と性能がでていました。
 200?F0.65、写野55°×55°、極限撮影等級4等、回転シャッター切断毎秒30回(フィルム直前に装備)・・・こう書くと小型広角カメラという感じですが、光学系は直径48?の主鏡・球面レンズ2枚(直径45?)と補正レンズで構成され、使用フィルム25?角と巨大です。観測地はニューメキシコ州。「4等まで」が意外ですが、半世紀前の感光剤ではいたしかたないのかもしれません。国内でもネオパンSS(ISO100)が最高感度の時代でしょうか。これで平均して1時間あたり2個の流星が撮影できたそうで、それまでの小型カメラの100時間1個ペースにくらべて飛躍的に研究が進んだそうです。

2.二点観測で得られた流星の軌道
・マクロスキー、ポーゼンの論文・・・2529個
  ・ホーキンズ、サウスワースの論文・・・359個
・ヤッキア、ホイップルの論文・・・・・413個
 最後のものは精度が高く、413個のうち双曲線軌道は7個(1.7%)、放物線軌道は2個(0.5%)しかない(前回は私が勘違いしていました)。いずれも1961年の「Smithsonian Contribution to Astrophysics」誌に掲載されているそうです。
真空吸引で曲げたフィルムを特殊レンズで乾板にコピーして測定したそうですが、大画面をコンパレーターで100分の1?まで測る世界でしょうから精度はバッチリ・・・ここが半世紀近くたっても資料として引用される所以なのでしょう。

 ところで、このシュミットカメラ、精度は別にすると、極限等級・写野・切断数・撮影効率など「ワテック+6?」にすごく似ていませんか? 機材を換えた追試観測にさえ見えてきます。双曲線軌道がなかなか見つからないのも「なるほど」なのかもしれません。逆に言えば、かつてのスーパーシュミット並の撮影効率のこの組み合わせを見つけた人はすごいと思います。
長めのレンズで同時観測すると新しい地平が見えてくるのかもしれませんが、困難は多そうですね。


確かにシュミットカメラとワテックは、おっしゃるように、極限等級・写野・切断数・撮影効率いずれも良く似ていますね。
そこで、ひとつ素朴な疑問なのですが、この当時の観測地の緯度・経度の精度はどの程度のものだったのでしょうか。ちなみに1秒(約50m)ずれると中緯度では、だいたい1.5分ほど見かけの位置がずれます。1/100mmの精度(10秒くらい)で測定しても、緯度経度が0.1秒の精度を保証されていないといけないことになります。
今でこそ、GPSで大平原のど真ん中でもきちっと座標が出ますが、当時どの程度の精度で、観測地の緯度経度を測定していたのでしょうか?
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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12670
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Thu Sep 21, 2006 6:00 pm    記事の件名: Re: スーパーシュミットカメラでの観測 その2 引用付きで返信

izumi wrote:
 1.スーパーシュミットカメラのスペック
 長沢工著「流星に向かう」(昭和47年刊)に構造図と性能がでていました。
 200?F0.65、写野55°×55°、極限撮影等級4等、回転シャッター切断毎秒30回(フィルム直前に装備)・・・こう書くと小型広角カメラという感じですが、光学系は直径48?の主鏡・球面レンズ2枚(直径45?)と補正レンズで構成され、使用フィルム25?角と巨大です。観測地はニューメキシコ州。「4等まで」が意外ですが、半世紀前の感光剤ではいたしかたないのかもしれません


たしかに、4等というのはちょっと意外ですね。
少し横道に逸れますが、この4等というのは流星の等級の話しなのか、恒星の等級なのか、それとも絶対等級かとか..... その辺がちょっと気になりました。
というのは、最近UFOAnalyzerV2の等級判定を検討していまして Wink どうしようかと思っている点があるのです。
そもそも、スチル写真の場合にはシャッター時間を延ばすと恒星は明るく映りますが、流星の明るさはそのままです。また速い流星は暗く写る筈です。
従って、流星の等級は流星の角速度と観測システムのシャッター時間によって補正すべきものと最近思っているのですが、この辺がよくわからないのです。
もちろん、見た目の等級と絶対等級の問題や、色温度による問題は別にあるのですが.......この辺は何か指針/アドバイスなどがありますでしょうか。

izumi wrote:
2.二点観測で得られた流星の軌道
・マクロスキー、ポーゼンの論文・・・2529個
  ・ホーキンズ、サウスワースの論文・・・359個
・ヤッキア、ホイップルの論文・・・・・413個
 最後のものは精度が高く、413個のうち双曲線軌道は7個(1.7%)、放物線軌道は2個(0.5%)しかない(前回は私が勘違いしていました)。いずれも1961年の「Smithsonian Contribution to Astrophysics」誌に掲載されているそうです。
真空吸引で曲げたフィルムを特殊レンズで乾板にコピーして測定したそうですが、大画面をコンパレーターで100分の1?まで測る世界でしょうから精度はバッチリ・・・ここが半世紀近くたっても資料として引用される所以なのでしょう。困難は多そうですね。


世界初の明白な双曲線軌道流星を探そうと言った手前 Embarassed 、この 双曲線軌道は7個(1.7%)というのの精度がどうだったかが気になっています。
結局これらの双曲線軌道は精度不足とみなされた という理解で良いでしょうか。それともこれらは精度、つまり交差角も十分だったのでしょうか。
原著がネットで読めると良いのですが......
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前田



登録日: 2004.09.01
記事: 2759
所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)

記事日時: Fri Sep 22, 2006 12:40 am    記事の件名: 流星光度 引用付きで返信

宮崎の前田です。
おっしゃるとおり、流星の明るさは角速度や、距離、見た方向などの補正が必要です。
「流星II」などに載っている通常の方法でよいと思います。
ただ問題は、おっしゃるとおり、補正する前の最初の光度をどう決めるかですが、
ここで悩むと先に進まないので、恒星と比較してえいと決めるしかないと思います。
(流星のスペクトル型は恒星と同じで、しかも流星は点と仮定するわけです。)
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ますみ



登録日: 2004.09.30
記事: 64
所在地: さいたま

記事日時: Fri Sep 22, 2006 1:45 am    記事の件名: Harvard Meteor Program の論文 引用付きで返信

リクエストにお答えし、ちょっと調べてみました。 Smile
該当論文の

?軌道要素
Precision orbits of 413 photographic meteors
Smith. Contr. Astrophys., vol. 4, p. 97-129 (1961).

は残念ながらインターネット上には見つかりませんでしたが

同じ観測の対地軌道等の論文は見つかりました。
309ページ 17.1MBも有ります。下記からpdfが取得できます。

?対地軌道
A Analysis of the Atmospheric Trajectories of 413
Precisely Reduced Photographic Meteors
 SAO Special Report #175 (1965)

http://adsabs.harvard.edu/cgi-bin/nph-data_query?bibcode=1965SAOSR.175.....J&db_key=AST&link_type=ARTICLE


手元に?の論文が有りますので調べてみますと、下記の
7流星が Interstellar meteors となっています。

その概要は
?     e   sinQ  Mp  V∞  QC
6275  1.015 0.297 -1.1 61.60 2.0
9804  1.002 0.072 -3.8 72.78 2.0
6959  1.004 0.276 -0.5 48.71 2.0
10380 1.002 0.030 -0.2 45.93 3.0
3334  1.027 0.174 -0.6 53.57 4.0
8089  1.012 0.099 -0.9 31.38 3.0
8576  1.075 0.041 0.5 52.79 4.0

e…離心率
sinQ…2流星の経路の交差角Qの正弦
Mp…絶対光度(写真光度)
V∞…大気圏外速度
QC…quality class
その数値は速度に対する相対誤差として
most probable error(%),maximum error(%)
はそれぞれ
QC=2.0…0.4%,0.7%
QC=3.0…1.0%,3%
QC=4.0…3%,10%

交差角Qを逆算すると17度〜2度程度ですが、さすが
super-schmidtの方向測定誤差は数十秒角程度のよう
で、RPを精度良く求められているようです。

双曲線軌道を調べるには、やはりレンズの焦点距離を
長くするのが良いですが写野が狭くなり流星数が減り、
経路も切れたりして痛し痒しですね。

因みに撮影場所の経度緯度は0.01秒のオーダーまで
記載されていました。

ご参考まで。
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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12670
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Fri Sep 22, 2006 10:17 am    記事の件名: Re: Harvard Meteor Program の論文 引用付きで返信

論文調査、本当にありがとうございます > ますみさん
たよりになる方がいらっしゃって、嬉しいです。

大気圏内経路の論文、17.1MBもダウンロードできました。
警告が出る割には高速で1分程で落とせましたが、印刷しようとしたら全部イメージでウチのスプーラがパンクしました Mr. Green
こういう論文に接すると、ため息が出ると同時に、研究の面白さも増しますね。秋の夜長に読破に挑戦してみます。
Quote:
手元に?の論文が有りますので調べてみますと、下記の
7流星が Interstellar meteors となっています。

その概要は
?     e   sinQ  Mp  V∞  QC
6275  1.015 0.297 -1.1 61.60 2.0
9804  1.002 0.072 -3.8 72.78 2.0
6959  1.004 0.276 -0.5 48.71 2.0
eは1を僅かに超えているだけなのに驚きました。明白な双曲線軌道といえるかどうが判断が難しいですね。
式の上からみると、eの誤差はV∞の誤差にほぼ比例しそうな気がするので、唯一 No.6275(交差角16.2度)は候補として残ります。
しかし、たった1つ、それもeはわずかに1を越えるだけというのは なんとも微妙だと思います。

もし、より明白な双曲線軌道の流星が見つかるなら、これはやはり物凄く価値のある話だと思いました。
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izumi



登録日: 2006.02.08
記事: 120
所在地: 秋田県湯沢市

記事日時: Fri Sep 22, 2006 12:09 pm    記事の件名: 道はなかなかけわしそうですね 引用付きで返信

 『流星にむかう』にスーパーシュミットカメラの写真がでていました(冨田弘一郎氏提供)。赤道儀(フォーク型?)追尾のようなので、4等は流星の明るさでしょう。経緯度はかつての遠征日食観測隊がやっていたように「天測」で決めたのではないでしょうか。そう言えば、GPSのない時代にオーストラリアに遠征してηAqr群の写真同時観測をした記録を読んだことがありますが、詳しい地図がなかなか入手できず経緯度決定に大変苦労したそうです。
 スーパーシュミットももっと長焦点にして精度をかせげばよさそうなものですが、流星用のスペックを割り出し、それに合わせて設計・製作したものなので、200?には深い意味がありそうです。撮影効率とともに、もしかして「流星出現時刻決定の精度」から割り出したものではないでしょうか。インターネットもGPS時計もない時代ですから。この点、今のパソコンとビデオの組み合わせは心強いですね。
流星観測大国旧ソ連での2点観測の論文が例のスミソニアンの出版物の1976年版に記載されているそうです。
 ・ババザノフ、クレーマー「Orbits of Bright Photographic Meteors」流星数164
カメラは口径100?、焦点距離250?、40°×50°と明るさを除けばかなり似ています(航空写真用カメラ?)。やはり200?には意味がありそうです。
 以前、「感光剤の分解能、地球の自転速度・公転速度を考えれば、『35?版銀塩カメラと標準レンズ、出現時刻±1秒、経緯度±1秒』というよくある組み合わせは、精度的には同じレベルの要素がそろえていると言える」という話を聞いたことがあります。この上の精度をねらうなら、切断時間の精度も含めて他の要素の精度もずっと高める必要があるようです。ビデオ観測ならパソコンと時報との同期に気をつけ、経緯度はGPSで0.01秒まで求め、後は焦点距離を銀塩換算200?以上に伸ばせば、スーパーシュミットを超えるのも夢じゃない!?・・・双曲線軌道検出への道はけわしいですね。可能性があるのは、5等以下の流星の同時観測でしょうか。
 さぎたりうすさんの「経緯度が1秒違えば1分違って見える」という話、思い当たることがあります。銀塩カメラに写ったペルセウス群の火球がワテックにも写っていたのですが、経路が微妙に違って見え、広角で歪んでいる?でもすぐ近くにある恒星との位置関係があわない、両カメラの距離は300メートルあるが・・・と思っていたところでした。
 ところで、観測地の標高は軌道の精度にどれぐらい影響するものでしょうか?
以前、接食観測をしていたとき、友人と「観測地の標高を0.1メートルまで要求するとすれば、例えば20?反射で観測するとき、筒の先端の上端をとるのか、反射鏡の中心をとるのか、筒の先端の下端をとるのか?」と悩んだことがありますが・・・。



スーパーシュミットカメラ.jpg
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富田先生、長沢先生、勘弁してください。
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さぎたりうす



登録日: 2004.08.09
記事: 4405
所在地: 大阪府大阪市東淀川区

記事日時: Fri Sep 22, 2006 1:17 pm    記事の件名: Re: 道はなかなかけわしそうですね 引用付きで返信

izumi wrote:
 以前、接食観測をしていたとき、友人と「観測地の標高を0.1メートルまで要求するとすれば、例えば20?反射で観測するとき、筒の先端の上端をとるのか、反射鏡の中心をとるのか、筒の先端の下端をとるのか?」と悩んだことがありますが・・・。


天頂方向の流星であれば、標高の1mの違いはたいした差にならないと思いますが、高度が低くなれば、当然影響は大きくなります。経緯度の1秒はだいたい50mくらいなので、経緯度に0.01秒の精度を求める観測であれば、標高も50cmの誤差、悪くても1mの誤差に抑えるべきではないでしょうか。ある程度の交差角を得ようと思えば、必然的に天頂から離れた位置の流星を狙うことになるので、この影響は無視できなさそうです。
経緯度は天測でかなり良い精度で求まりますが、標高は近くに三角点のないところで求めようとすると結構難しいです。
平坦な地域では1mの誤差で決めるのは、そう難しくはないですが(1/25000の地形図に出ている最寄の三角点などからエイヤーで決めてしまう。)、丘陵地などでは1mの誤差というのも結構難しいのではないかと思います。(1/25000のコンター線はかなりいい加減です。)
GPSで表示される標高の誤差はどの程度のものなのでしょうか。測量に使うGPS機で、静的測位であれば、cm単位の精度は保証されますが、山歩きに使うハンディのものなら、そんなに精度はなさそうな気がします。せいぜい5mくらいでしょうか。
スーパーシュミット並みの精度を狙うのであれば、標高は1mの精度できちっとおさえる必要があると思います。ちなみに私のところでも、今の標高の精度は1mもないと思います。(近くの水準点が2.5mで、二階のベランダなので約6mかなという程度)
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登録日: 2004.08.07
記事: 12670
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Fri Sep 22, 2006 5:20 pm    記事の件名: 413/3500 引用付きで返信

ご紹介頂いた
A Analysis of the Atmospheric Trajectories of 413
Precisely Reduced Photographic Meteors
 SAO Special Report #175 (1965)
少し読みました。原著の方でないのがやはり残念ですが、それでもネットですぐ読めるのは本当に便利です。

この413個の流星は3500個の同時観測の中から低精度のものを排除し、季節や速度による大きな偏りを無すように選択されたものだそうです。
例えば継続時間については、回転シャッターによる毎秒60回の分割により両カメラとも20個以上に明瞭に分断された軌跡に絞っているそうです。
つまり継続時間が1/3秒以上ある組み合わせに限っているということですね。
前に、「高精度というには10フレーム位欲しい」と書きましたが、これも丁度 1/3秒=20フィールドになるので、奇しくも同じでした。

また、速度変化に関する最大の誤差要因は、回転シャッターの回転ムラ(フラッタ)とのことで、後にモータを強力なものに変えた実験もしているようです。
ビデオカメラのタイミング精度はモータによるシャッターの回転より遥かに良い精度だと思うので、この点はメリットですね。

観測地標高が軌道計算結果に及ぼす影響の件は凄く複雑なので、将来的には、個別観測毎に誤差範囲を試計算する軌道計算ソフトにしたいと思っています。

精度が絡む議論はやはり大変です。 e=1.1 ぐらいの文句のつけようのないヤツが降って来てくれると楽なんですが.... Wink
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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12670
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Sat Sep 23, 2006 6:41 pm    記事の件名: これも、惜しいです。 引用付きで返信

9月の同時流星分についてまた少し調べてみました。
今回は交差角QQ >30度 で e>1.1 で調べたら、1つ見つかりました。 Tokyo4 と Nagano1 のものです。
交差角は60度もあるので、輻射点の精度は極めて高いと思うのですが、残念ながら Nagano1 側の継続時間がやや短く、8フレームしかなく経路角Q2は2.9度と短いです。。 惜しいです Sad
今後は、両者ともに10フレーム以上(Dur1,Dur2が0.33以上)あって、交差角QQが30度以上、eが1.1以上のものが見つかったら、再分析したいと思いますので、気がついた方は是非お知らせください。



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masuzawa



登録日: 2005.04.09
記事: 3706
所在地: SHIOJIRI

記事日時: Sat Sep 23, 2006 9:50 pm    記事の件名: Re: これも、惜しいです。 引用付きで返信

UFOOrbit で日付の begin と end を変えると、e の値が変わってしまいます。
20060902_002924 の Nagano1_m3 と Tokyo4 の場合では、
e = 1.169 の場合と e = 0.656 の 2通りの場合があります。
どちらが正しいのでしょうか?
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