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アンチヘリオン領域の輻射点分布(年間)
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投稿者
メッセージ
司馬康生
登録日: 2005.11.26
記事: 2161
所在地: 明石市
日時: Sun Apr 05, 2020 8:21 pm
記事の件名: アンチヘリオン領域の輻射点分布(年間)
アンチヘリオン領域の輻射点位置を「黄道座標マイナス太陽黄経 対 黄緯」で表してみました。
太陽黄経で5度ずつの範囲で集計し、72コマのGIF動画です。
集計範囲は、2007年初めから2020年3月の全流星です。
「黄道座標マイナス太陽黄経」は、黄道上の太陽からの離角です。
一般にアンチヘリオンは180度から210度くらい黄道面(β=0度)を挟んで±15度あたりに年間を通じて輻射点が集中する部分を指します。
その多くは、周期の長い彗星起源では無く、短周期の小惑星起源の可能性の高い流星を多く含みます。
この範囲には多くの流星群が乗っており、判る範囲でIAU MDCに掲載された略号で書き加えています。
一部、未知の流星群と思われるものは「?」としました。
さて、これをやろうと思ったのは、おうし座南流星群とχオリオン南群の区別をどうしようかと考え、
この方法で表すと明確に線が引けるか?と思い試すことにしました。
結果は、かなり見やすくなりましたが、やっぱり間にしっかり線が引けそうもありません。
それでもせっかくなので、年間を通じてやってみました。
その他、判ったこと、新たに見つかった判らないことをいくつか書いておきます。
●δみずがめ南群(SDA)の活動後期には輻射点が南北に分離します。
このうち南側がSDAとしての連続的な位置に見えますが、北側はSDAの活動衰退期に現れ、その後長く続きます。
これは、8月οみずがめ群(AOA)としています。SDAより近日点距離がやや大きい感じですがばらつきが大きく、
群の存在としてはやや微妙です。
δみずがめ北群(NDA)も一時期南北に分離し、南側をbPiと表記していますが、本来のbPiの趣旨とは違うでしょう。
NDAの活動は、毎年変化が有り、もう少し継続した観測で詳細を調べる必要がありそうです。
●11月ζぎょしゃ群(THA)がIAU MDCのリストにはestablishedとして記載されていますが、
この方法で図示させると、ふたご座流星群(GEM)とほぼ同一位置であり、活動も連続しています。
軌道も、向きは変わりますが大きさ、形はほぼ同一です。
つまり、THAはふたご群(GEM)の前駆出現と考えるのが適当では無いかということです。
●おうし座流星群の末期、南群はχオリオン南群(ORS)と分離しますが、北群も一時期分離気味になります。
しかし、また一つに繋がってδかに北群(NCC)へと移行しますが、この移行の境界線が判りません。
そもそも、STAの後に続くδかに南群(SCC)共々、群として存在するのかどうか怪しい印象です。
有ると言えばある、という程度。
●68ふたご群(SGM)とした群は、拡散してはいますがかなり長期に認められます。
これは群として存在するか、限界線に近い印象です。
movie2.gif
説明:
輻射点分布動画
ファイルサイズ:
822.14 KB
閲覧数:
2331 回
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前田
登録日: 2004.09.01
記事: 2754
所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
日時: Sat Apr 11, 2020 11:53 am
記事の件名: 力作ですね
司馬さんへ
前田です。
これは、また大変な力作ですね。
動画はわかりやすいのですが、ゆっくり見れないので、静止画に分割して、太陽黄経の表を手元に置いて楽しんでいます。
NDAが何というか、思っていたのと違いました。bPiをNDAと思っていて、NDAは出現数が少ないと思っていました。bPiが小文字なのは、IAUのestablishedリストにないからですか?
このへんの最近の事情をよくわかっていません。
MONとNOOが非常に近い位置で出現数の急激に変化していく様子もすばらしい。こうなっていたのか、という感じです。
ORSとSTAのつながりも、これは、分離は難しいというのがよく分かります。この時期になると、STAはかなり黄経方向に延びているんですね。
ところで、「黄道座標マイナス太陽黄経」で書くとふたご群などはあまり移動がないと言うイメージでしたが、アンチヘリオン領域の流星群はどんどん右へ(小さくなる方向)
流されていきますね。これは、何か理由があるのでしょうか。
太陽黄経を引くということは、地球の公転の影響を消していると思うのですが、それでも残る一定の成分は地球の自転の分ですか?
太陽黄経よりすこし小さな値をλから引くとアンチヘリオン領域の流星群の動きが止められるんでしょうか。
そうすると、もう少し細かな黄経方向の構造が見えるんですかね??
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