藤原康徳
登録日: 2004.08.10 記事: 2717 所在地: 大阪市淀川区
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日時: Wed May 08, 2019 1:51 am 記事の件名: へび座κ流星群 |
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佐藤さん、コメントありがとうございます。
私のほうもへび座κ流星群なのかどうか気にはなっていましたが、そもそもへび座κ流星群自体がはっきりとしません。
IAU MDCのリストで確定群リストからこの流星群のデータを引っ張ると3個のデータがあり、これを全流星群リストから引っ張るとプラス1で4個のデータが出ています。
1. Cook, 1973 15.7 230.6 +17.8 45 (順に出典、太陽黄経、赤経、赤緯、地心速度、観測流星数)
2. Jacchia & Whipple, 1961(Trail No. 10098), 232.60 +15.40 45.01 1
3. Jenniskens et al. 2016, Icarus, 266, 331, 20.0 240.2 +16.8 46.7 21
4. Jenniskens et al. 2018, sub. to PSS, 25.9 247.8 +17.0 46.9 46
4が確定群のほうには出ていないデータです。PSSは154, 21-29 「A survey of southern hemisphere meteor showers」かなと思ったのですが、
この論文のほうは検出した新流星群のことがテーマでこの群のことは出ていないようです(ちゃんと読んでいませんので、単に私が見落としているだけかもしれませんが)。
この論文には、へび座π流星群(phi Serpentids, #00839 PSR)というのが出ています。太陽黄経:25.1度、赤経=242.2、赤緯=+14.0度、地心速度=46.3km/s、流星数:5というプロファイルです。
1のCookに掲載されているということでIAU#00027という小さいNo.と確定群とされていると思いますが、実態は良く分かりません。
3の論文でも太陽黄経3から27度(極大20度)で活動するハレー彗星型順行軌道の流星群のリストに出ているだけで、特別の論述はありません。
上田昌良さんが、SonotaCoネットの過去10年間の同時流星からこの流星群を調べられた結果を天文回報No.921(2019年4月)に出されています。
活発な活動は捉えられていないようです。
結局、よく分かりませんというのが現状です。
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