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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12653 所在地: 139.67E 35.65N
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12653 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Tue Apr 15, 2008 10:25 am 記事の件名: 高速大質量隕石 |
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突入速度70km/sの隕石が燃え尽きずに地上に到達する例を調べてみました。
突入角 50 度 とすると 初期質量が 10の9乗kg (100万トン) 程度必要なようです。
密度4000kg/m^3だとして直径80m程度です。
経路はほぼ直線で、殆ど減速することなく 2秒足らずでそのまま地表に衝突します。
初期質量が100万トン以下だと、例えば25万トンあっても大気中で燃え尽きる計算です。しし座流星群などの隕石が無い理由がわかります。
逆に、400万トンだと100万トンも地表に到達することになります。これはハルマゲドンですね。
(秒速70km/s の100万トンの物質の運動エネルギーは 2.5*10^18J で、TNT火薬なら600メガトン、水爆60発分、あるいは マグニチュード9の地震と同程度です)
一応、調べたいことは一通り済んだ気でいます。
初期値のリクエストがあれば、言ってください。シミュレートしてみます。
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上村
登録日: 2005.11.07 記事: 1792 所在地: 新潟県中越
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日時: Sat Apr 19, 2008 9:13 am 記事の件名: 低速大質量隕石ではどうでしょう |
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お言葉に甘えさせていただきます。
初期質量が10の9乗kgというのはツングースカ隕石の質量と推定され、興味深く拝見しました。
で、突入速度15km/sと30km/s、突入角15 度と30度ではどんな結果になるでしょうか。
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12653 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Sat Apr 19, 2008 11:30 am 記事の件名: Re: 低速大質量隕石ではどうでしょう |
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上村 wrote: | 初期質量が10の9乗kgというのはツングースカ隕石の質量と推定され、興味深く拝見しました。
で、突入速度15km/sと30km/s、突入角15 度と30度ではどんな結果になるでしょうか。 |
初期質量を10の9乗kg として、初期速度を 15,30,45,60 km/s , 突入角15度と30度をプロットしてみました。
当然ですが、いずれの場合も速度の低下は殆どなく、
低速では殆どそのまま地表に衝突し、速度が上がると次第に到達質量は減ります。
突入角の違いは、燃焼時間の差になるようです。つまり速度が殆ど変わらないので、突入角が大きいと衝突までの時間が短くなり、燃える量が減るという感じです。
いずれにしてもこれだけ重いと、低速では、膨大な質量が地表に衝突する計算となります。
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上村
登録日: 2005.11.07 記事: 1792 所在地: 新潟県中越
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日時: Sun Apr 20, 2008 9:08 am 記事の件名: ありがとうございました |
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SonotaCoさんありがとうございました。
シミュレートしていただいて亡霊のような存在から少し実体が見えてきたように思いました。
爆発時の質量が推定できたことの意義は大きいと思いますし、
ツングースカ隕石の出現(高度50km)から爆発(高度8km)まで10秒、と仮定して
初速15km/s、突入角15〜30度という値の支持者が多いのが判りました。
それにしても燃え残った90万トンの質量はどこへ行ってしまったの?
チェコ湖のボーリングへの期待がますます大きくなりました。
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Tue Apr 22, 2008 12:50 am 記事の件名: 面白い結果ですね。 |
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前田です。
不勉強なのですが、大きなクレータの地下から隕石が見つかったことは、実際にあるのでしょうか?
話を戻しますが、私も突入角が気になりました。突入角が小さいところで、隕石が落下しやすい
極値はあるのでしょうか。それとも単調に地表まで到達しにくくなるだけでしょうか。
具体的には、例えば、速度15km/sで、輻射点高度が1度から20度まで変化させると、
消滅点の高度は輻射点高度が低い程短銃に高くなりますか。
説明があったかも知れないですが、この計算ではいわゆる大気減速の補正と
よく書かれるexp(Csρ/αcosZ )であらわされる項を用いているのですか?それとも、その項
事体をまともに計算してあるのですか。
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12653 所在地: 139.67E 35.65N
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12653 所在地: 139.67E 35.65N
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12653 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Tue Apr 22, 2008 4:38 pm 記事の件名: アースグレージング |
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初期高度100km, 突入角5度、初速15km/s だとアースグレージングになることが判ったので、それが初期質量によってどうかわるか見てみました。
250g,1kg,4kg で見てみましたが、いずれの場合にも高度は地球の丸みの影響で初期高度より高い高度まで達します。
シミュレーションは初期高度を上回った時点で終了させていますが、1kgと4kgではその時点の速度が地球の脱出速度を上回っています。250gの時はわずかに下回るので、地球を周回し、場合によっては再突入すると思います。
軽くなると、減速がやや大きく、脱出までの時間が掛かり、軽いほど光る時間が長いです。これもちょっと面白い結論でした。
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Fri May 02, 2008 12:26 am 記事の件名: 問題はどこに |
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前田です。
SonotaCoさん、詳しい解説どうもありがとうございます。よく分かりました。
突入角が小さいと、15km/sだと全部落ちるというのは変な感じですね。これだと、
人工衛星は全部落下しちゃうということですから。
また、速度が速い時はそんなことはないんですよね。
最初に書かれた仮定が成り立たなくなるということでしょうか。
グラフでは高度100kmからしかありませんが、もっと高いところから大気との
衝突は始まると思いますが、隕石クラスだと無視できるということですか。
つい、ふつうの流星クラスを想像して、グラフを見てしまいますが、これらの
計算は、通常のプラス等級の流星にはあてはまらないと思った方がいいのですね。
話がピント外れかもしれませんが、シュミレーションには重力加速度も計算に
入れてあるとのことでしたが、天頂引力の効果は数値計算で現れているのでしょうか??
とても興味深くて、いろいろ考えさせられる結果だと思いました。
流星物理セミナーあたりで発表するとうけそうですが、、。
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12653 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Fri May 02, 2008 10:40 am 記事の件名: Re: 問題はどこに |
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前田 wrote: | 突入角が小さいと、15km/sだと全部落ちるというのは変な感じですね。これだと、
人工衛星は全部落下しちゃうということですから。
また、速度が速い時はそんなことはないんですよね。
最初に書かれた仮定が成り立たなくなるということでしょうか。 |
熱伝達係数などのパラメータ設定によっては燃え尽きるケースももちろんあります。
流星と人工衛星では材質や構造がまるで違うのでなんともいえません。
昇華することと、溶ける あるいはバラバラになることが違うのかもしれません。
人工衛星については別途検討が必要だと思います。
もちろん速度が大きければ完全に昇華します。
前田 wrote: | グラフでは高度100kmからしかありませんが、もっと高いところから大気との
衝突は始まると思いますが、隕石クラスだと無視できるということですか。
つい、ふつうの流星クラスを想像して、グラフを見てしまいますが、これらの
計算は、通常のプラス等級の流星にはあてはまらないと思った方がいいのですね。 |
超高空では大気密度が小さいので、200kmからシミュレートしても結果は殆ど変わりません。
減速は極めて小さく、質量損失も僅かです。
この力学的シミュレーションは通常のプラス等級の流星にもあてはまると思います。
高空で燃え尽きるプラス等級の流星をシミュレートすると、初期質量が極めて小さいことになります。
過去の多くの研究で、力学的質量予測は光学的質量予測より数桁小さい質量になることが指摘されていますが、
どちらが正しいかは判っていないと思います。
前田 wrote: | 話がピント外れかもしれませんが、シュミレーションには重力加速度も計算に
入れてあるとのことでしたが、天頂引力の効果は数値計算で現れているのでしょうか?? |
初期速度が一定以上あれば、天頂引力、すなわち地球の重力による作用は、全体としてはごく僅かで、
流星速度が数km以下に下がったころ、つまり低空でのみ結果に現れてきます。
しかし、そのころには質量損失は殆ど終わっており、質量に対する影響は殆どありません。
また、ジュラルミンなどの軽金属で、Qが数100cal/g なら、 第一宇宙速度 7.9km/s でも殆どのケースで中空で質量が0になります。人工衛星は大体このパターンではないでしょうか。
あるいは、人工衛星は、大きな塊として落下するか否かが問題とされているだけで、小さい破片は日常的に落下しているのかもしれません。
ISSから紙飛行機を飛ばすと地表まで降りてくるのでは という話がありますが、低密度で軽いものは早めに減速して、燃え尽きないのは多分本当だろうと思います。
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