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この夏のみずがめ座周辺の活動

 
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投稿者 メッセージ
izumi



登録日: 2006.02.08
記事: 120
所在地: 秋田県湯沢市

記事日時: Tue Sep 25, 2007 6:42 pm    記事の件名: この夏のみずがめ座周辺の活動 引用付きで返信

今年の夏は好天が続いたので、みずがめ座周辺の流星群活動について調べてみました。
個人的にも学生時代の合宿で観測して(させられて)以来、「いったいどうなってる群なんだ?」という印象が強い場所です。結果的にはなお「かすみの向こう」の印象が強いですが、参考までに概要をのせてみます。図が多くなってすみませんが、UFOシリーズのおかげで私のような数学苦手人間にも直感的にイメージがつかみやすくなります。

調査方法: 7月15日〜8月31日のネットワークの同時観測データから、1/t、dur>0.3、QA>0.5で抽出しました。後述するようにこのデータだけでは資料数が限られてしまうので、dur>0.1と単点観測のデータもあわせて調べました。

? 概 要
 図のように全期間にわたって輻射点が散在しているが、低速のやぎ座群(Analyzer2では水色表示)をのぞくと、中速(Analyzer2では緑色表示)がほとんど。
 7月中はやぎ座群とみずがめ座δ南群がほとんどを占めるが、8月に入るとδ北群・ι南群と思われる活動や、アンチヘリオン・散在に分類される流星が加わり、みずがめ座周辺に複雑に分布するようになる。
? やぎ座群(J1_Cap)
 全期間にわたって活動しているが、7月下旬〜8月初めが活発で、輻射点のまとまりもよい。8月に入ると輻射点が黄道の東方向にばらけていく傾向がみられる。
 この群は明るいゆっくりとした継続時間の長い流星が多いためか同時観測にかかりやすく、活動状況に比して輻射点観測が多い。軌道は図のようによくそろっている。これだけ黄道に近く、遠日点が木星に近いと大惑星の重力でかきまわされそうなものだが・・・共鳴関係で落ち着いたものか?
? みずがめ座δ南群(J1_sdA)
 全期間にわたって活動しているが、7月25日〜8月3日頃が高原状の極大期。輻射点もよくまとまっているが、極大期を過ぎると輻射点が黄道の東側にばらけていく傾向が見られる。
軌道は図のようにばらつきが多い。この群は継続時間の短いものが多く、dur>0.3に絞るとdur>0.1の1/3まで減ってしまい、群の規模に比べて高精度のものが得にくいが、高速群でもないので速度誤差によるばらつきとは考えにくい。やぎ座群よりは惑星に攪乱されにくいように思えるのだが・・・原因をかなり無理やり考えてみたが・・・。
・流星体の大きさで軌道が少しずつ違う → 違いが大きすぎないか?
・おおもとの母天体は一つだが、直接の母天体は数多くあり、わずかに軌道の異なる集 団をなしている → サングレーザーを考えればありうる。でも、この群だけの現象?
・おおもとの母天体からこの群の母天体が分裂した後、軌道が遷移していく過程を見ている → ずれに規則性が見られないようだが?
 また、この群の輻射点東側に、「散在」分類の中速の輻射点が連続的に分布しているのが気になる。無関係? ばらけていって、群と認識されなくなったもの?
? みずがめ座δ北群
 UFO Analyzer2では(J1_bPs)が相当すると思われる。極大は南群より10日程度遅く、活動は南群の1/3程度。南群の軌道とは図のように黄道面を境界とした鏡像関係にある。
輻射点はあまりまとまっておらず、アンチヘリオンとの間にも輻射点が散在しているので、眼視観測では鋭眼のプロット観測者以外は分離困難と思われる。(どうりで学生時代にわけがわからなかったわけだ)
? みずがめ座ι南群
 UFO Analyzer2では(J1_lAq)が相当すると思われる。7月下旬から活動が見られるが、極大ははっきりしない。活動はδ南群の1/4程度。眼視観測では鋭眼のプロット観測者以外は分離困難と思われる。
軌道は黄道面に近く、速さもδ群より遅く、光度変化も黄道群に似ている。
? みずがめ座ι北群
 UFO Analyzer2では(J1_A08)の中に含まれていると思われる。8月アンチヘリオンに分類された同時流星の軌道を見ると、みずがめ座ι南群と鏡像関係にあるものが数件見られる。眼視観測では鋭眼のプロット観測者以外は分離困難と思われる。
? みなみのうお座群
 UFO Analyzer2では(J2_Pau)に相当すると思われる。百を越える単点観測はあるが、同時観測がない。周囲にも輻射点がない。この群は存在するのか、疑問に思う。「南に低いため観測しにくい」だけとは考えにくい。活動期間がもっと早い時期の可能性もあるが。



同時流星輻射点(2007年7月15日〜8月31日).jpg
 説明:
大きい画面だと中速輻射点の緑があざやかです
 ファイルサイズ:  62.59 KB
 閲覧数:  3768 回

同時流星輻射点(2007年7月15日〜8月31日).jpg



やぎ座群(J1_Cap)軌道(52個).jpg
 説明:
長期間ですが、よくそろっています
 ファイルサイズ:  72.02 KB
 閲覧数:  3768 回

やぎ座群(J1_Cap)軌道(52個).jpg



やぎ座群(J1_Cap)軌道傾斜.jpg
 説明:
黄道面にすごく近いです
 ファイルサイズ:  41.03 KB
 閲覧数:  3768 回

やぎ座群(J1_Cap)軌道傾斜.jpg



みずがめ座δ南群(J1_sdA)軌道(46個).jpg
 説明:
絞ってもばらつきが多いです
 ファイルサイズ:  60.3 KB
 閲覧数:  3768 回

みずがめ座δ南群(J1_sdA)軌道(46個).jpg



みずがめ座δ南群(J1_sdA)軌道傾斜.jpg
 説明:
こちらもばらつきが多いです
 ファイルサイズ:  51.66 KB
 閲覧数:  3768 回

みずがめ座δ南群(J1_sdA)軌道傾斜.jpg



みずがめ座δ北群(J1_bPs)軌道(7個).jpg
 説明:
数は少ないですが、δ南群によく似ています
 ファイルサイズ:  52.82 KB
 閲覧数:  3768 回

みずがめ座δ北群(J1_bPs)軌道(7個).jpg



みずがめ座δ北群(J1_bPs)軌道傾斜.jpg
 説明:
話に聞いていた通り、δ南群と鏡像関係なのがわかります。
 ファイルサイズ:  43.64 KB
 閲覧数:  3768 回

みずがめ座δ北群(J1_bPs)軌道傾斜.jpg



みずがめ座ι南群(J1_lAq)軌道(4個).jpg
 説明:
少ないですが、δ群とは軌道が違います
 ファイルサイズ:  49.01 KB
 閲覧数:  3768 回

みずがめ座ι南群(J1_lAq)軌道(4個).jpg



みずがめ座δ北群(J1_bPs)軌道傾斜.jpg
 説明:
δ群と違って、黄道面に近いです
 ファイルサイズ:  43.64 KB
 閲覧数:  3768 回

みずがめ座δ北群(J1_bPs)軌道傾斜.jpg



8月アンチヘリオン(J1_A08)軌道(16個)_.jpg
 説明:
中にι南群の軌道に似たものがあります。
 ファイルサイズ:  79.51 KB
 閲覧数:  3768 回

8月アンチヘリオン(J1_A08)軌道(16個)_.jpg


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izumi



登録日: 2006.02.08
記事: 120
所在地: 秋田県湯沢市

記事日時: Tue Sep 25, 2007 6:49 pm    記事の件名: すみません。追加です。 引用付きで返信

すみません。添付ファイルの間違いやオーバーフローで送れなかったファイルがありました。


みずがめ座ι南群(J1_lAq)軌道傾斜.jpg
 説明:
δ群と違って黄道面に近いです
 ファイルサイズ:  40.27 KB
 閲覧数:  3762 回

みずがめ座ι南群(J1_lAq)軌道傾斜.jpg



8月アンチヘリオン(J1_A08)軌道傾斜.jpg
 説明:
ι南群と鏡像関係にあるものがあります
 ファイルサイズ:  48.54 KB
 閲覧数:  3762 回

8月アンチヘリオン(J1_A08)軌道傾斜.jpg


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さぎたりうす



登録日: 2004.08.09
記事: 4391
所在地: 大阪府大阪市東淀川区

記事日時: Tue Sep 25, 2007 10:01 pm    記事の件名: Re: この夏のみずがめ座周辺の活動 引用付きで返信

izumi wrote:
今年の夏は好天が続いたので、みずがめ座周辺の流星群活動について調べてみました。
? みなみのうお座群
 UFO Analyzer2では(J2_Pau)に相当すると思われる。百を越える単点観測はあるが、同時観測がない。周囲にも輻射点がない。この群は存在するのか、疑問に思う。「南に低いため観測しにくい」だけとは考えにくい。活動期間がもっと早い時期の可能性もあるが。


興味深く拝見しました。これだけでも十分論文になりそうですね。
私も、みなみのうお座群については存在が怪しいと思っています。
みなみのうお座群の出典を調べたところ、1950年代から60年代にかけての南半球でのレーダー観測と、あとは眼視のリストです。
つまり光学的に信頼できる文献がありません。
(どなたか御存知でしたら補足願います。)
実在するとすれば、非常に暗く、主に6mm+ワテックで捕らえられる2等より明るい流星がほとんどない。突発性が強い。60年代以前は活動していたが、今はほとんど活動していない。などの理由も考えられます。
眼視で捕らえられているということは、あまり明るいものは無いにしても、4等より明るい流星を含んでいるということなので、12mmあるいは25mm同士での連続的な同時観測ができれば、見えてくるものがあるのではないでしょうか。
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前田



登録日: 2004.09.01
記事: 2754
所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)

記事日時: Wed Sep 26, 2007 1:21 am    記事の件名: 面白い考察だと思います。 引用付きで返信

前田です。
面白いまとめだとおもいます。このままでも、WGNあたりに
のっていてもおかしくないと思います。
この考察の面白いところは、これまであると信じられていたが、どうも
あやしいと言うことになりつつある、みずがめ4兄弟がやっぱりあるということを
言っているところだと思います。
私も8月の輻射点のまとめはしたのですが、NMSへの報告なので配布されるまでは
出せないのですが、izumiさんのまとめと少し似ています。エリダヌス座あたりが
ηEri以外にも妙に活発でした。図からは外れていましたが、どうでしょうか。
やぎの輻射点がよく集中していることも同感です。今日やっとJenniskens氏の本を
手に入れました。それには、やぎ群はとても拡散していると書かれています。
写真などでは、そうなるんですかね。
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